2-4 エレガントなハンドル操作


ハンドルの操作
 ハンドル、ステアリングホイールと言うのが英語的には正しい言い方です。

なので、よくドラテクの本などには「ステアリング」と書いてあります。

 さて、教習所ではハンドルを持つときに「10時10分の位置を持つように」
と言われましたよね。

これはこれで正しいです。


ですが私は、「9時15分」の位置をお勧めします。
え?3時45分じゃないの?なんていう寒いギャグはこの際置いといて、
話を進めます。


10時10分の位置は全く正しいのですが、
手を少し上に持ち上げないとならないですね。

持ち上げた手をキープするために、ちょっとハンドルを握り込むことになります。

これは長い時間続けると疲れます。


9時15分の位置なら、たいていの車はそこにスポークがあり、
親指を軽く引っ掛けて手の位置をキープできます。
この方が楽です。
余分な力も入りません。


この、「余分な力を使わない」と言うのが運転では、特にハンドル操作では結構重要だったりします。

 そして、ハンドルの回し方はどうしてますか?
これも教習所ではいわゆるクロスハンドと言う方法で操作しろ、
と教わったと思うんです。

右に曲がるなら、
左手で押し上げて行き左手が右の真横つまり3時の位置に来たら
反対の9時の位置を右手で持ち
今度は右手で引きながら回し、
3時の位置まで回したときに左手で9時の位置を持ち...

と言うことを繰り返してまわして行く方法ですね。

 教習所では、これ以外のやり方は間違いだとばかりの勢いで教えられましたが、
僕は個人的にはパーキングスピードや街の交差点を曲がるぐらいのスピードなら
要は回せれば回し方なんてなんでもいいと思います。

しかし、速度が高くなってくるとこの方法は適していないと思っています。


 では、どんな操作方法がエレガントでよいのでしょうか?

基本は送りハンドルと言われる方法です。

右に曲がると仮定して、説明します。

曲がり角が近づいて来てブレーキを踏みます。
と同時に「右手」で、ハンドルの頂点を持ちます。
左手はそのままの位置で(9時)滑らせながら右手で
ハンドルを引くようにしてまわします。

もし、右手が右膝の位置まで来る前にハンドルを切る量が間に合ってしまったのなら、
左手は10時から11時ぐらいの位置で
手の掌でグッと前に押すようにして保持して下さい。

 もっと切らなければならなかったら、
左手を7時か8時の位置まで下げて、
そこから左手で押し上げるようにして、切り足します。

その時同時に右手はハンドルの上の方へ
左手を迎えにいくように滑らせながら持ち替えます。

上に行った右手で、また引き下げながら切り足し、
左手は滑らせながら下の方に持ちかえる。

これを繰り返して切っていきます。
戻すときはこの反対の動作をやって戻すことになります。


手の動きだけ見ると、両手が上に行ったり下に行ったりしているだけの動きになります。
 この方法の利点は、いつでも両手でハンドルを持っていることで、
丁寧で安定したハンドルさばきが可能になることです。

慣れると、とても運転しやすい方法だと思います。

 そして、実際の路上でハンドルを切る時、
切り始めはそおっと、


車が曲がり始めたら、
必要なところまでスッと一定のスピードで切り必要な量だけ切ったら、
そこでグッとハンドルを押さえて切り角は一定のまま保持します。

このときのハンドルの押さえ方ですが、
コーナーの外側の手、つまり左に曲がっていたら右手で
1時ぐらいの位置をグッと手のひらの小指側で前に押してぐっと押して押さえます。決してハンドルは握らないように。手のひらの小指側で
ハンドルを前に押すことだけでハンドルを保持して、
後の指は軽く絡ませるだけ、と言った感じです。


 このハンドルの持ち方は、手でハンドルを押すことで上半身も安定し、
速いスピードのコーナリングでもよけいな力がかからないので
疲れが少ない方法です。
ぜひマスターして下さい。


 そして、どんなときでもハンドルを切るときに感じていてほしいことは、
ハンドルの先で地面を捕らえているタイヤのことです。

タイヤの、アスファルトに触れている面が(トレッドと言います)
ググッとよじれている感じを
ハンドルの手応えから感じ取ってほしいのです。

「そんなのわかるわけ無い」と言ってしまったら
、絶対にわかりません。
絶対にわかるんだから、感じ取るように意識を持って行くと
すぐにわかるようになりますよ。



2-5 つまりエレガントな操作とは?

 ここまでで説明して来た、アクセル、ブレーキ、ハンドルの操作の方法も、
突き詰めればキモは一つなんです。

急激な挙動変化を与えないこと、

これだけです。


助手席に座っている人の頭に注意して下さい。

助手席のひとの頭が揺れないように運転して下さい。

アクセルを踏んだらガクッと後ろに、
ブレーキを踏んだらガクッと前に

では急激な変化に同乗者は車酔いを起してしまいます。

または、紙コップ半分くらいの水を入れて、
カップホルダーに置いてみる。

水がこぼれないように運転する。

あ、この方法は、紙コップに気を取られて事故になるといけないですから、
他の車がいない広い駐車場などでやるか、
頭の中で想像して下さい。


 このように運転しても、決して遅くもたもたとした運転になるわけではありません。

滑らかであることに最大限の注意を払って、
でもその範囲でできるだけ速く走るように心がけていると、
スムーズで速いドライビングができるようになります。


 こうやって、スムーズでエレガントなドライビングを心がけていると
あるとき車酔いしやすかった友達が
「あなたの運転だけは、酔わないわ」
と言ってくれるかも知れませんよ。


これって、エレガントな走りの基本だと思いませんか?

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